フレイザは、起源は分からないもののピエモンテ州原産の品種で、ネッビオーロと別の品種が自然交配して生まれたと考えられており、16世紀にはフレセアルムという名前の高級ワインとしてこの地域で流通していた記録が残っている。木苺のような香りが特徴的で、アスティやキエーリでは微発泡性の辛口の軽めのフレイザを食事と合わせて日常的に楽しんだり、甘口のスプマンテに仕上げたフレイザを飲む場面があるが、古くからこの地域の最上のワインを生み出すブドウ品種と考えられてきた。

平均樹齢30年のわずか1ヘクタールの畑から収穫されたフレイザは、年によっては一部全房で1～2週間のマセレーションを行い、その後ステンレスタンクにて醗酵の続きと6～8か月間の熟成を行っている。その後、フリーランのみを少量の二酸化硫黄とともにボトリング。若いうちはフレッシュな味わいが楽しめるが、熟成させると妖艶な味わいへと変わっていく。